MY NAME IS DREAMER
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↓の続きです。
プロットの様な拙い文です。
加地が可哀想なお話なのでご注意下さい。
プロットの様な拙い文です。
加地が可哀想なお話なのでご注意下さい。
最悪のタイミングで
最悪の人の声を掛けられた。
落ち着いてきた体とは逆に、嗜好と感情が一気にフル回転を始める。
涙はもう止めようがなく、諦めた。
彼らの現場を回想し終わった脳は、僕の気持ちを折りませながら月森との記憶を再生し始める。
そんなことして欲しくないのに、考えまいとする気持ちを置き去りに彼のことばかり浮かぶ。
せめて声は漏らすまいと、噛み締めた歯の根が合わない。
奥歯が震え、情けない嗚咽が漏れだす。
僕はどこまで情けないんだろう。
情けなくて、惨めで、恥ずかしくて、悲しくて・・・
あんまりなほど格好悪い自分に笑いすら漏らしそうなった時、ありえない声が聞こえた。
「こんな所みっともない奴だな。」
何故この人がこんな所に?
何故この人がこのタイミングで?
何故この人は今僕に声を掛けているんだろう?
そう思考が巡る前に、反射的に振り返ってしまった。
黄昏に混じらず、凛と青みを放つ紫紺の髪。
その下は、笑うでもなく、呆れるでもなく、ただ、真っ直ぐ僕を見据えていた。
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